元気になぁれ!

父が病気になりました。記録を残します。

2D・なんとかかんとか

お待たせしました、とよばれて

ICUにはいると管だらけでは

あるけれど、意識のある父がいました

 

「あれ?起きてる?」と驚くと

担当の先生が「実はICUでもう一度

血液ガスなどを測定したら、まだ

挿管するほどではないという判断に

なりました。ICUでは管理させて

もらいますけと…」と説明

 

麻酔をかけないで済む状態なら

そのほうがいいので、ちょっと安心

 

父は「ICUにきたら切り刻まれるかと

思ったけど、そんなことなくてよかった」

といつもの軽口をたたいている

 

でもいつ挿管するかはわからないので

またその時にはすぐに連絡しますから

と言われた

 

先生に今夜弟が来るのですが…と

伝えると、場合が場合なので

通常の面会時間外ではあるけれど

意識のあるうちに会ってもらったほうが

いいと思うので、特別に許可しますと

言ってもらえました

 

一度、帰宅し子供を寝かしつけ

弟が新幹線で到着したのを

駅まで迎えにいき、0時ちかくに

また面会しにいきました

 

呼吸の状態はあまり変わらず

熱も高いままで、もしも悪化すれば

連絡しますので、と言われて帰宅

 

実家経由で自宅に戻り、いつ連絡が

きてもいいように携帯を枕元において

時々携帯をチェックしながら浅い睡眠で

なんとかかんとか連絡なしで朝を迎えました

ICU待合室

ICUの待合室はあちらになります」と

看護師さんに教えてもらいそちらへ移動

 

待合室にはいると男女5〜6人の集団がいて

私たちが部屋に入ると、ハッとしたように

こちらを見た

 

が、病院関係者じゃないとわかると

また雑談…というか談笑をはじめた

 

それもかなり大きな声で、こちらが

暗〜い顔してボソボソと話してるのなんか

全くお構いなし!!!

 

私は親戚に電話してくるから、と部屋を

でたのだけど、その間もずーーーーっと

くだらない話を続けていたらしい

 

病院の待合室だとしてもそんなの非常識だし

ましてや深刻な人たちが集まるICUの待合で

よくも、そんなことできるなぁ…と

 

全く無関係な人たちが入り込んでるのかとも

思ったけれど、このあとICUの中で

誰かのお見舞いにどやどやといるのを

見たので、患者の関係者であることは

間違いなくて、さらに驚いたのでした

2D・ICUへ

母と私が病院に到着した時、父はまだ

元の病室で移動の準備中

 

さっきより呼吸がすごく苦しそう….

という感じは見た目にはしなかったけれど

数値はあまりよくないと看護師さん

 

荷物をまとめたりしている間にも

一生懸命に仕事の話やら、家の中の

雑務やら、片付けなきゃいけないことを

こうしろああしろと伝えてくる

 

「いいよいいよ、また治ったら聞くから!」

となだめつつも、治るのかな…それより

ちゃんとまた目を覚ましてくれるのかな…

というのが頭をよぎる。

 

ICUへはベッドごと移動で、酸素ボンベも

ベッドに乗せて、ICUのある建物まで

担当の先生や看護師さんやらと一緒に

ゾロゾロと行列していく。

 

途中、弟からのLINEのメッセージ

「孫の顔見るまで頑張れ」を伝える

ついでに名前の候補を聞き出して

「○○にしようかなって!」と伝えると

「いい名前じゃないか」と答えてくれた。

 

「麻酔で寝てる間に、もし亡くなった

じいさんばぁさんに呼ばれても断ってよ!」

とか冗談めかした励ましかたしかできない

 

不安なのは父も一緒だろうし、ここで

私たちが泣いても仕方ないと思って…

 

ICUの入口で「じゃあ家族はあちらで
お待ちください。あとでお呼びします」

と言われたとき

 

いますでに頑張って呼吸をしてる父に

頑張れなんて言いたくなかったけど

「がんばってよ!」しか言えなかった

 

これが会話した最期なんていうのは

絶対に嫌だから

2D・緊急の呼び出し

人工呼吸器を使うという話になった場合は

事前に連絡をしますので、と言われたので

 

夕方には子供たちのお迎えや夕飯のため

母と私はとりあえず帰宅することに

 

帰りの車の中で、新幹線で4時間の距離に

住んでいる弟を呼び出すかどうか相談

 

入院したことなどは伝えてあったので

1週間後のGWにはくることになっていた

 

が、肺炎が悪化すれば明日にでも亡くなる

可能性があること。人工呼吸器を使うと

2度と話ができなくなる可能性もあること…

 

考えたくはないけれど、最悪の可能性も伝えて

できれば帰ってきて欲しいと伝えた

 

あとで大袈裟すぎたね〜と笑える位が

ちょうどいいし、そうなることを願って…

 

子供を保育園から連れ帰り、夕飯の

準備をしている時に携帯が鳴った

 

病院のさっき話をした主治医の先生で

「あのあと呼吸状態がさらに悪化してる

12L/分の酸素を流しているけれど

SPO2があがってこないので、これから

人工呼吸器をつなげようと思いますので

今から病院にこられますか?」

 

母の携帯がつながらなかったので

私にかけてきたとのことで、母が

出かけた先を知っていたので「今から

母と一緒にうかがいます」と答えた

 

私の夫がちょうど帰宅したところだった

ので、子供を預け、夕飯を食べさせるよう

頼んで、また実家に戻る

 

ちょうど帰ってきた母を車に乗せてまた

病院への道を急ぐ

 

車の中で弟に電話すると新幹線に乗る

つもりで準備をしているところだった

 

もしかしたら来た時にはもう意識がない

かもしれないから伝えたいことがあったら

LINEしておいて!と言い電話をきった

 

孫たち

父には、いま孫(私の子供)が2人います

まだ1歳と3歳の保育園児です

 

保育園は実家のちかくなので

私が仕事が忙しい時や、子供が熱をだして

お迎え要請がきたときなどは父が迎えに

いって病院に連れていってくれたりもします

 

ご飯も食べさせてくれます

遊びにも付き添ってくれます

 

夏休みには大井川鐵道トーマスに

乗りに行く約束をしています

 

つい1週間前にはみんなで行こうと父が

サーカスのチケットをとっていました

 

孫たちはみんなじぃじが大好きです

遊びに行けるのを楽しみにしています

 

いま免疫力のさがっているじぃじに

孫たちは会えません

 

「じぃじ病気になっちゃった」と言ったら

「じぃじガンバレ!じぃじガンバレ!」と

応援してくれています

 

父にはもうすぐもう1人孫が生まれます

私の弟のところの赤ちゃんです

あと2ヶ月もしないで生まれます

 

じぃじも孫に会うのを楽しみにしています

3人目の孫もじぃじに会いたいと思います

 

父はまだまだ死ねません

2D・中心静脈カテーテル

父は大きな基礎疾患はないけれど

血圧が低めで、たまに心房細動がおきる

 

麻酔下での呼吸管理の可能性や

緊急時に昇圧剤を使う可能性を考えて

首から中心静脈カテーテルを留置します

と言われた

 

首からブラブラと太いカテーテル

ぶら下がってるのは痛々しい

 

トイレに立つのもフラフラすると

いうことで、尿カテもいれられた

 

私も交通事故にあったり、帝王切開を

したりで何度か尿カテの経験はあるけれど

決して気持ちのいいものじゃない

 

父も案の定、息苦しいなかでも

ぶーぶーと文句を言っていた

 

どんなに苦しくても、父の

キャラクターは変わらない

2D・肺炎の治療

すでにかなり重篤な肺炎の父

 

高齢であり、肺水腫もおこしているので

呼吸状態もよくない。

 

通常ならばSPO2(酸素飽和度=酸素を身体中に

運ぶヘモグロビンがどれだけ酸素と結合して

いるか)は90%を切ることはないのに

入院時で80%台、いま酸素マスク装着で

6〜7L/分と多めの酸素を流しているのに

それでも90%前半…

 

肺がうまく酸素をとりこめてないのです。

本人もとても苦しいので頑張って呼吸を

していて体力も消耗していってる。

 

このまま呼吸状態が悪化していくようなら

人工呼吸管理の使用も考えています、と先生

 

全身麻酔下で呼吸器管理をして

肺炎が改善するのを期待するという

 

麻酔下であれば、本人はたぶん苦しさを

感じないですむし、体力の消耗もある程度

おさえられるというメリットはある

 

けれど、白血球があんなに減っていて

抗生剤は効いてくれるんだろうか…

 

もし、抗生剤が効かなかったら???

麻酔をかけたまま亡くなる可能性もある…

 

先生にその可能性を確認する。

「もちろんその可能性もあります」

 

「ただ」と先生は言葉を続けた

「それをすることで治せる可能性がある

と思うから提案しています。基礎疾患も

ないし、十分頑張れる可能性があります。

可能性がない方には正直いってこういう

提案すらしません」

 

可能性があるのならお願いします…

母と私は頭をさげた