2D・ICUへ
母と私が病院に到着した時、父はまだ
元の病室で移動の準備中
さっきより呼吸がすごく苦しそう….
という感じは見た目にはしなかったけれど
数値はあまりよくないと看護師さん
荷物をまとめたりしている間にも
一生懸命に仕事の話やら、家の中の
雑務やら、片付けなきゃいけないことを
こうしろああしろと伝えてくる
「いいよいいよ、また治ったら聞くから!」
となだめつつも、治るのかな…それより
ちゃんとまた目を覚ましてくれるのかな…
というのが頭をよぎる。
ICUへはベッドごと移動で、酸素ボンベも
ベッドに乗せて、ICUのある建物まで
担当の先生や看護師さんやらと一緒に
ゾロゾロと行列していく。
途中、弟からのLINEのメッセージ
「孫の顔見るまで頑張れ」を伝える
ついでに名前の候補を聞き出して
「○○にしようかなって!」と伝えると
「いい名前じゃないか」と答えてくれた。
「麻酔で寝てる間に、もし亡くなった
じいさんばぁさんに呼ばれても断ってよ!」
とか冗談めかした励ましかたしかできない
不安なのは父も一緒だろうし、ここで
私たちが泣いても仕方ないと思って…
ICUの入口で「じゃあ家族はあちらで
お待ちください。あとでお呼びします」
と言われたとき
いますでに頑張って呼吸をしてる父に
頑張れなんて言いたくなかったけど
「がんばってよ!」しか言えなかった
これが会話した最期なんていうのは
絶対に嫌だから